著者の結論:
肥満は脳卒中のリスク上昇につながると思われ、体重を減少させれば脳卒中発症低下へとつながる可能性が示唆されてきた。しかしながら、この仮説はランダム化比較臨床試験の結果による強力な科学的エビデンスに基づいてはいない。このシステマティックなレビューから、過体重または肥満の人において減量が及ぼす脳卒中の発症への影響を評価するためのよくデザインされ、適切な検出力のある多施設ランダム化比較試験が緊急に必要であることが確認された。
アブストラクト全文を読む
背景:
肥満は、脳卒中など多くの疾患の罹患増加を伴う罹患率の高い世界的な慢性疾患とみなされている。脳卒中は先進国では三番目に多い死亡原因であり、重度の長期障害の主要な原因である。過体重または肥満と脳卒中の因果関係は不明であり、初発脳卒中の予防(一次予防)における肥満治療の役割を明らかにする決定的な研究はない。脳卒中の蔓延とこの疾患の医療経済的に膨大なコストを考えると、減量そのものが脳卒中の発病率へおよぼす影響を明らかにすることは重要である。
目的:
過体重または肥満の人に対する減量が及ぼす脳卒中発病率への影響を評価する。
検索戦略:
MEDLINE、EMBASE、コクラン・ライブラリ、LILACS、進行中の試験のデータベースおよび文献リストを用いて該当する試験を同定した。最後の検索は2006年4月に実施した。
選択基準:
過体重または肥満の人において減量のためのあらゆる介入(単独または併用)をプラセボまたは無介入と比較しているランダム化比較試験。
データ収集と分析:
本レビューに含める試験は文献中に見つからなかった。
主な結果:
現在報告すべき結果はない。