女性の不安の予防または治療を目的とした妊娠中の心身医学的介入

ヨガや催眠療法などの心身医学的介入は、不安の軽減に有効である可能性がある。これらを学ぶことで、精神がリラックスし、不安に関するマイナス思考が変化し、ストレスの多い出来事に対する認知が変化して、適応行動および対処技能が改善する可能性がある。妊娠中のさまざまな時期における不安が女性の健康に影響を与え、その結果子どもにも影響を与える可能性があり、妊娠中の女性の不安の治療または予防に対する有効性は、臨床試験で確認する必要がある。今回のレビューは、こうした点について調査した少数の研究を対象とした。今回のレビューは、8件のランダム化比較試験に参加した556例の女性を対象とした。これらの試験に基づき、妊娠、出産中、または産後4週間に生じる不安の管理に心身医学的介入が有効であるというエビデンスがいくつか認められるが、エビデンスの強さは十分ではない。通常のケアと比較して、イメージ療法は出産中の不安にプラスの効果があるかもしれない。別の試験では、分娩直後の不安およびうつへプラスの効果が認められることが明らかになった。自律訓練法は、出産前の女性の不安を軽減する効果がある可能性がある。今回のレビューの対象とした試験で行われたいずれの心身医学的介入からも、有害作用は報告されなかった。今回対象とした試験では、さまざまな心身医学的介入を用い、場合によっては総合的な介入法の一部として用い、さまざまなアウトカム判定法を用いて、通常の治療法またはその他の潜在的に積極的な介入と比較した。一部の試験は、バイアスのリスクが高く、サンプル数が少なく、脱落率が高かった。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD007559.pub2】

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