レセルピンは、その他のファーストライン降圧薬とほぼ同程度にSBPの低下に効果がある。しかし、含まれた試験の数が少なかったことから、用量反応パターンに関する明確な結論は引き出せなかった。原発性高血圧の治療にレセルピンが果たす役割を確立させる前に、レセルピンが血圧に及ぼす影響を評価し用量関連性の安全性プロファイルを明らかにするためのRCTがさらに必要である。
原発性高血圧(収縮期血圧≥140mmHgおよび/または拡張期血圧≥90mmHg)の治療のために現在、数多くの降圧薬が存在する。これらの薬剤に対するエビデンスを検討するためにランダム化比較試験(RCT)が実施されている。例えば、サイアザイド系は死亡率および罹病率を低下させる強固なエビデンスがRCTから示されている。これらにはレセルピンがセカンドライン療法として使用されている試験もある。しかし、本剤の用量に関連した血圧低下については不明である。
血圧、心拍数、有害事象による薬剤中止に及ぼすレセルピンの用量に関連した影響を検討する。
データベースCENTRAL、EMBASE、およびMEDLINEを検索した。検索し回収した研究の参考文献の項にリストされていた引用文献についても追跡した。
選択された研究は、原発性高血圧の患者を対象にレセルピン単剤療法をプラセボまたは無治療と比較した真のランダム化比較試験であった。
ランダム化と隠蔽化の方法を評価した。血圧低下、心拍数、有害作用による薬剤中止に関するデータを抽出し、解析した。
4件のRCT(N=237)が選択基準に適合した。全体的に統合された効果から、プラセボと比較してレセルピン投与患者で収縮期血圧(SBP)が統計学的に有意に低下していた(重み付け平均差-7.92、95%CI -14.05~-1.78)。試験間で有意な異質性があったため、拡張期血圧(DBP)、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)に対しては有意な効果を見いだすことはできなかった。SBPへの効果は0.5mg/日以上で達成された。しかし試験数が少なかったため、用量反応パターンは明らかにできなかった。Rauwiloidをプラセボと比較検討していた1件の試験からのデータは、そのほかの3件の試験から得たレセルピンのデータと統合しなかった。その理由として、Rauwiloidは植物インドジャボク(Rauwolfia serpentina) からの異なるアルカロイドのエキスであり、使用した用量をレセルピンとは比較できない。含まれた試験はいずれも有害作用による薬剤中止を報告していなかった。