オメガ-3系脂肪酸欠乏は自閉症スペクトラム障害(ASD)に関連する障害の原因の一つで、これらの必須脂肪酸の補充が症状改善につながることが示唆されている。ASDの基本的な特徴(社会的交流、コミュニケーション、常同行動など)および関連症状の緩和に対するオメガ-3系脂肪酸の有効性に関するレビューを行うこと。以下のデータベース: CENTRAL (2010年2号)、MEDLINE (1950年〜2010年5月第3週)、EMBASE (1980年〜2010年第21週)、PsycINFO (1806年〜検索日)、BIOSIS (1985年〜検索日)、CINAHL (1982年〜検索日)、Science Citation Index (1970年〜検索日)、Social Science Citation Index (1970年〜検索日)、metaRegister of Controlled Trials (2008年11月20日)およびClinicalTrials.gov (2010年12月10日)を2010年6月2日に検索した。オメガ-3系脂肪酸補充がASDの治療に有効であることを示すエビデンスが不足している。一方で、 オメガ-3系脂肪酸補充に対し明確な推奨を行うには、質の高い大規模ランダム化比較試験が必要である。
現時点では、オメガ-3系脂肪酸補充がASDの主な症状および関連症状に有効であるという質の高いエビデンスは得られていない。自閉症スペクトラム障害(ASD)に対するオメガ-3系脂肪酸:オメガ-3系脂肪酸欠乏はASDに関連した障害の原因の一つで、これらの必須脂肪酸を補充した場合、症状が改善する可能性があることが示唆されている。
オメガ-3系脂肪酸欠乏は自閉症スペクトラム障害(ASD)に関連する障害の原因の一つで、これらの必須脂肪酸の補充が症状改善につながることが示唆されている。
ASDの基本的な特徴(社会的交流、コミュニケーション、常同行動など)および関連症状の緩和に対するオメガ-3系脂肪酸の有効性に関するレビューを行うこと。
以下のデータベース:CENTRAL (2010年2号)、MEDLINE (1950年〜2010年5月第3週)、EMBASE (1980年〜2010年第21週)、PsycINFO (1806年〜検索日)、BIOSIS (1985年〜検索日)、CINAHL (1982年〜検索日)、Science Citation Index (1970年〜検索日)、Social Science Citation Index (1970年〜検索日)、metaRegister of Controlled Trials (2008年11月20日)およびClinicalTrials.gov (2010年12月10日)を2010年6月2日に検索した。2008年12月10日にDissertation Abstracts Internationalを検索したが、2010年には著者や編集者による検索ができなかった。
ASD患者を対象にオメガ-3系脂肪酸補充をプラセボと比較したすべてのランダム化比較試験。
3名のレビュー著者がそれぞれ試験を選択し、バイアスのリスクを評価し、関連データを抽出した。主要アウトカム3項目(社会的交流、コミュニケーションおよび常同行動)および副次アウトカム1項目(多動性)について、対象試験のメタアナリシスを実施した。
6件の試験はランダム化比較試験ではなく、対照群が設けられていないか、対照群にプラセボを投与していなかったため、対象から除外した。6件の試験はランダム化比較試験ではなく、対照群が設けられていないか、対照群にプラセボを投与していなかったため、対象から除外した。総じて、オメガ-3系脂肪酸補充が社会的交流(平均差(MD) 0.82, 95%信頼区間(CI) -2.84〜4.48, I2 = 0%)、コミュニケーション(MD 0.62, 95% CI -0.89〜2.14, I2 = 0%)、常同行動(MD 0.77, 95% CI -0.69〜2.22, I2 = 8%)および多動性(MD 3.46, 95% CI -0.79〜7.70, I2 = 0%)に有効であるというエビデンスは得られなかった。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.3.13]
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