3件の統合したRCTから、アスピリンは、散発性腺腫様ポリープを1から3年後に再発するのを有意に減少するというエビデンスがあった。短期間の研究から、FAPにおける大腸腺腫の消失または予防ではなく、退縮を裏付けるエビンデンスがある。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は散発性の大腸腺腫(CRA)および大腸癌(CRC)の発生を減少させ、家族性大腸腺腫症(FAP)において腺腫の退縮を引き起こすとの可能性を示す動物実験研究、前向きおよび後ろ向き観察研究からのエビデンスがある。
大腸腺腫および大腸癌の予防または退縮に対するNSAIDの効果を判定するためにシステマティック・レビューを行う。
2003年9月までのランダム化比較試験(RCT)を同定した。
NSAIDSおよびアスピリンを介入とした。主要アウトカムは、1個以上の大腸線腫を有する被験者数、ポリープ総量の変化、および大腸癌とした。副次的アウトカムは有害事象とした。
2名のレビューアが別々にデータを抽出し、試験の質を評価した。二値アウトカムは、相対リスク(RR)とその95%信頼区間(CI)として報告した。データは臨床的および統計学的に妥当であれば、ランダム効果モデルで統合した。
150例の家族性大腸腺腫症(FAP)および24,143例の集団被験者を対象とする9件の試験が選択基準に合致した。介入には、スリンダク、セレコキシブまたはアスピリンがあった。3件の研究を統合した結果から、低用量のアスピリン群の方が散発性大腸腺腫の再発が、1から3年後には有意に少なかった [RR0.77(95% CI0.61, 0.96)、治療必要数12.5(95% CI7.7, 25) ]。別の3件の試験において、スリンダクまたはセレコキシブが投与されたFAP表現型の被験者では、対照群(範囲4.5%~10%)と比較し、大腸腺腫数が相対的に大きく減少した(範囲11.9%~44%)。いずれの試験でも、大腸癌または有害事象のアウトカムに有意差はなかった。
Translated by:
Translation supported by: