冠動脈疾患患者のうつ病に対する治療法

このレビューでは、冠動脈疾患とうつ病を持つ人を対象に、心理的治療と抗うつ薬に関する臨床試験を調べた。目的は、これらの治療法が、うつ病、死亡率、再度の心臓発作や心臓手術などの心臓イベントに及ぼす影響を調べることであった。

その結果、37件の試験がレビューに関連するものとして確認された。15件の試験では心理的治療が検討され、21件の試験では抗うつ薬を含む薬物的介入が検討された。

一般的に、心理療法を対照薬と比較したり、抗うつ薬をプラセボ(非活性薬)と比較したりすることで、治療終了時にうつ病の症状が軽減される可能性があるが、そのエビデンスは確実性が低い。心理的治療を対照薬と比較して、また抗うつ薬をプラセボと比較して、死亡率や心血管イベントを減少させるかどうかについては、エビデンスが非常に不確かである。

エビデンスは2020年8月までのものである。

訳注: 

《実施組織》 阪野正大、冨成麻帆 翻訳 [2022.02.01]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD008012.pub4》

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