水分摂取増加は腎結石再発リスク低下に有用である可能性があるが、さらなる研究が必要である 腎結石は結晶と蛋白の塊で成人における尿路閉塞の最も多い原因である。長い間、水分摂取増加が本疾患とその再発の予防法とされてきた。本レビューでは、再発と再発までの時間に対する水分摂取増加の効果を検討した1件の研究のみを認めた。水分摂取増加により、再発率が低下し再発までの時間が延長した。さらなる研究が必要である。
1件の研究のみのエビデンスでは、水分摂取増加により尿路結石再発リスクが低下し再発までの平均間隔が延長したと示された。しかし、さらなる研究が必要である。適切なRCTが欠如しているため、尿路結石の一次予防および二次予防に対する水分摂取増加について結論を出すことはできなかった。
尿路結石はよくみられる疾患で、高い罹病率と再発率が特徴である。長い間、水分摂取増加が本疾患とその再発の予防法とされてきた。これは2004年発表のレビューの更新である。
尿路結石の一次予防および二次予防に対する水分摂取増加の有効性を評価すること。
Cochrane Renal Group's Trials Search Co-ordinatorと共に開発した検索法を用いてCochrane Renal Group's specialised register、CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、Chinese Biomedical Diskを検索した。言語の制限は設けなかった。最新の検索日は2012年4月である。
尿路結石とその予防に対する水分摂取増加に関するランダム化比較試験(RCT)と準ランダム化RCT。
2名のレビューアが別々にバイアスリスクを評価し、データを抽出した。ランダム効果モデルを用いて統計解析を実施し、結果は95%信頼区間(CI)とともに二値アウトカムについてはリスク比(RR)、連続データについては平均差(MD)として示した。
選択基準を満たした、尿路結石の一次予防に対する水分摂取増加の研究はなかった。患者199名の1件の研究は、尿路結石再発に対する水分摂取増加の結果を示していた。結石再発率は、無介入群に比べて水分摂取増加群で低かった(12% 対27%、RR 0.45、95%CI 0.24~0.84)。再発までの平均間隔は、水分摂取増加群で3.23 ± 1.1年、無介入群で2.09 ± 1.37年であった(MD 1.14、95%CI 0.33~1.95)。選択バイアス、施行バイアス、検出バイアス、症例減少バイアスを評価するデータは不十分であった。