在宅終末期ケア

本レビューの目的

在宅終末期ケアを提供することにより、病院で死を迎える可能性が減るのか、またそれにより、病院やホスピスに入院する場合と比べて、患者や介護者の満足度や医療サービスのコストにどのような影響があるのかを調べるため、文献を統計的にレビューした。本レビューは、初回から5回目の更新である。

要点

自宅で終末期ケアを受ける患者は自宅で死を迎える可能性が高い。在宅終末期ケアが家族や介護者に与える影響についてはデータがほとんどなかった。

本レビューで検討された内容

一部の国では、自宅で死を迎えたいと希望する終末期患者に対し、在宅ケアを提供するための医療サービスが整備されている。自宅で終末期ケアを受ける希望者が多いことから、一般の人々や終末期患者の希望によってこうした政策が後押しされていると考えられる。

本レビューの主な結果

本レビューには4件の試験を組み入れた。自宅で終末期ケアを受けている患者は、自宅で死を迎える可能性が高いことが明らかになった。在宅終末期ケアを受けている間の入院率には、試験間で差がみられた。自宅で終末期ケアを受けた患者では、追跡1か月後の満足度が若干高くなった可能性がある。在宅終末期ケアが介護者、医療スタッフ、医療サービスのコストに与える影響は不明であった。試験参加者およびその家族のコストに関するデータはなかった。

本レビューの更新状況

2020年3月18日までの研究を検索した。

訳注: 

《実施組織》一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT:ジャムティ)『海外癌医療情報リファレンス』(https://www.cancerit.jp/)生田 亜以子 翻訳、東 光久(福島県立医科大学、白川総合診療アカデミー)監訳 [2021.05.01] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクラン・ジャパンまでご連絡ください。 なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review、Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。《CD009231.pub3》

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