レビューの論点:慢性肺疾患(CLD)のリスクがある、あるいは罹患している乳児の早産による死亡率やその他の合併症に対する気管支拡張剤の効果は?
背景:慢性的な肺疾患は、妊娠34週以前に生まれた赤ちゃんに多く見られる。気管支拡張剤は、肺の空気の通り道を広げる作用を持つ薬である。早産児の小気道を拡張する効果が期待できることから、慢性肺疾患に使用されてきた。気管支拡張剤は、経口(スプレーやソフトミスト)や注射で摂取するか、あるいは加圧されたエアロゾルをネブライザーを用いて吸入することができる。
研究の特性:ランダム化試験と準ランダム化試験を対象とした。225人の乳幼児を対象とした2件の研究を分析対象とした。
研究の資金源:企業からの資金提供を受けている試験はなかった。
主要な結果:この臨床試験のレビューでは、慢性肺疾患の予防のための気管支拡張剤の効果を示すエビデンスがあまりにも少ないことがわかった。さらなる研究が必要である。CLDの治療に気管支拡張剤の使用を検討した試験はなかった。
エビデンスの質:エビデンスの質は、含まれる試験のうち1つは中等度、もう1つは低かった。
《実施組織》小林絵里子、阪野正大 翻訳[2021.10.14] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD003214.pub3》