入院中の成人患者に対する薬剤レビューの利点とリスクは何か?

要点

入院患者における薬剤は、再入院を減少させる可能性があるが、死亡率にはほとんど、または全く影響を与えない可能性がある。

薬剤レビューとは何か?

薬剤レビューとは、個々の患者に対する投薬を最適化し、健康状態を改善するために、医療従事者が行う体系化した介入のことである。

何を調べようとしたのか?

薬剤レビューが成人の入院患者の健康状態を改善するかどうかを検討した。

何を行ったのか?

入院中の成人を対象に、通常のケアと薬剤レビューを比較した研究、または2種類以上の薬剤レビューを比較した研究を検索した。研究結果を比較、要約し、エビデンスに対する信頼度を評価した。

何が見つかったのか?

入院中の成人患者における薬剤レビューは、患者の再入院を減少させる可能性があり、また救急治療部の利用を減少させる可能性があることが明らかになった。しかし、死亡率にはほとんど、または全く影響を及ぼさない可能性があり、健康に関連した生活の質(QOL)に影響を及ぼすかどうかは不明であった。

エビデンスの限界は何か?

ほぼすべての研究において、多くの薬を服用している高齢の患者が対象になっていたため、他の患者にはこれらの結果を適用できない可能性がある。

このエビデンスはいつのものか?

2022年1月までに発表された研究について電子データベースなどで検索を行った。

訳注: 

《実施組織》小泉悠、堺琴美 翻訳[2023.03.09]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD008986.pub4》

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