レビューの目的は?
このレビューの目的は、低視力者に遠隔で(遠隔リハビリテーションを介して)視覚リハビリテーションサービスを提供する利点を評価することであった。遠隔リハビリテーションは、通常のオフィス(対面)での診療ではなく、インターネットを使用したアプローチである。目的とする主な治療結果は視覚関連の生活の質(クオリティー ・ オブ ・ ライフ)だったが、私たちは人々がどれだけ速く読むことができるかなどの視覚機能の測定、予定されたセッションの遵守、および患者の満足度などにも関心があった。
主なメッセージ
疾患の負担と遠隔医療への関心の高まりを踏まえると、2つの進行中の研究が完了すると、低視力者にサービスを提供する基盤としての遠隔リハビリテーションの可能性を理解するためのエビデンスが得られるかもしれない。
レビューで何が研究されたか?
低視力(ロー ・ ビジョン)は、眼鏡、コンタクトレンズ、または他の医学的および外科的治療では治療できない視覚機能の低下である。低視力者は、読書や運転などの日常的な活動を行うのが難しい場合がある。世界中で低視力者は約3億人存在する。低視力者を援助する1つの方法はリハビリテーションである。リハビリ中、低視力者は拡大補助具の使い方や残りの視力を最大限に活用するための技術を習得し、また身に付けた技術を強化するために定期的に評価される。低視力のための外来リハビリテーションにおける訓練は効果的であることが示されている。しかし、医療機関(診療所など)への移動は患者にとって障害となる場合がある。トレーニングが提供されない場合、拡大補助具やその他の技術を最大限に活用できない。科学技術の発展により、インターネットを介した低視力のリハビリテーションサービス(遠隔リハビリテーション)の提供が可能になった。遠隔リハビリテーションは、外来のための移動に伴う課題を減らし、自宅でのリハビリテーションのセッションの利便性も提供する。
レビューの主な結果は?
2つの進行中の研究が見つかったが、レビューの研究課題に直接取り組んだ完了した研究は見つからなかった。
レビューの更新状況
検索は2019年6月24日に最後に実行された。
《実施組織》木下恵里 翻訳、山本依志子 監訳[2020.05.18]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD011019.pub3》